平成25年8月、東北ブロック小児がん医療提供体制協議会(以下:協議会)を設置しました。個々の症例に対して小児がん連携病院間および小児がん拠点病院との連携を強化すると共に、協議会を最低年1回開催し、東北地区における小児がん診療のあり方の検討と情報共有(PDCAサイクル ※相互評価)を行います。
具体的な疾患および病態に関して、東北ブロック内の拠点病院と小児がん連携病院とが役割分担を行っています。東北地区では現在、各県における大学病院小児科、主要関連病院で小児がん診療が行われています。初発症例などの標準的治療が必要な症例は、ご家族の利便性を考慮し、今後も各小児がん連携病院での診療を継続します。
小児がん拠点病院に集約すべき疾患・病態は以下の通りです。患者さんとご家族の同意が得られることを前提として、小児がん拠点病院への集約化を図ります。
小児がん拠点病院に集約すべき対象疾患・病態
- 再発あるいは難治性疾患
- 高度の手術手技を要する脳腫瘍症例
- 原発性免疫不全症を基礎疾患とした小児がん症例
東北大学病院は、宮城県立こども病院と緊密な連携体制にあり、今後も継続する予定です。
東北大学病院では、小児がん拠点病院化を受け、がんセンターにおいて<小児腫瘍センター>を組織しました。これまで下図に示すような複数科での連携のもと、小児がん診療を行っていますが、今後は当院全体の化学療法センター、サポーティブケアチーム、がん診療相談室、院内がん登録室、および成人診療科との連携を強化していく予定です。外来化学療法は化学療法センターにて施行しており、今後も継続し、患者さんが不安なく治療を受けられるような設備の充実を図ります。